不妊症

不妊症

不妊症とは正常な夫婦生活があって、2年以内に妊娠しない場合をいいます。これは、通常、夫婦の90%以上が2年以内に妊娠するという事実に基づいています。
また、避妊をせずに性交をしているカップルが1年以上妊娠しない場合も不妊症と言えます。不妊の原因は、女性側だけではなく、男性側に問題がある場合も多くなっています。女性の場合、排卵の障害、卵管の障害が多く、男性の場合は精子の障害(精子の数が少ない、元気がない、無精子症)が挙げられます。
その他、子宮頸部(しきゅうけいぶ)の粘液に異常がある場合や、子宮内膜組織が子宮内宮以外にできる子宮内膜症などがあり、原因がはっきりしない場合もあります。不妊症の女性側の原因は約5割で、男性側が約3割、その他の原因不明が約2割といわれます。何よりまず男性、女性、あるいは両方に原因があるのか、そして何が原因なのかを検査などで突き止めることが大切でしょう。

女性の場合は、年齢も関係してきます。女性は加齢とともに妊娠しにくくなり、妊娠中の合併症のリスクも高くなります。
原因が特定されない場合でも、排卵誘発剤による治療や人工授精などで妊娠の確率を高めることで妊娠できる場合もあります。

しかし、妊娠という現象が成立するためには、排卵、受精、着床が正しく円滑に行われることが必要であり、このいずれかに障害があったら妊娠が不可能となります。
 西洋医学は病気を細かく部分的に見てゆく傾向がありますが、漢方医学では身体全体における「気、血、精、水」の状態をとらえて「証」による分析をします。つまり妊娠という生理的現象を成立させるためには、身体全体の調子を整えて「陰陽調和」のとれた身体になると、自然に女性側の受け入れ体制が整備され妊娠しやすくなると考えます。特に冷えと鬱血(血液の滞り)の改善は重要です。なぜなら精子と卵子が結合する卵管や、胎児が約10ヶ月間過ごす子宮は、暖かく、ゆったりとしていなければならないし、受精卵が着床して育っていくためには、新陳代謝も活発におこなわれる必要があるので、きれいな血液がたっぷりと、スムーズにめぐらないとならないからです。

このような考え方から、漢方での不妊症の治療方針は、冷えやのぼせ、疲れやすい、胃腸が弱いなどの身体全体のアンバランスの「証」を調整しながら、生理の周期の乱れや量の異常、生理痛などの婦人科領域の異常を整え、陰陽調整していくということにより、妊娠しやすい身体にしていきます。

また近年、体内の栄養バランスの崩れが妊娠しにくい環境を作っているという報告もあります。栄養とは特にミネラルの不足です。中でも亜鉛やセレンというミネラルが不足すると無排卵を引き起こしたり、正常な卵子ができにくくなると言われています。男性では亜鉛が精子の量を増やし、セレンが精子の質を高めると考えられ、食の欧米化なども手伝い、日本の食卓に良質なミネラルが少なくなっていることも不妊症が増えている原因ではないでしょうか。

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