漢方の皮膚病薬、太乙膏(タイツコウ)軟膏
アトピー性皮膚炎でステロイドを使われる方も多いことでしょう。ステロイドというお薬はつらい症状を鎮め、アトピーや皮膚病治療の大きな手助けとなります。正しく使えば非常に効果的なステロイドも、使用過度などで免疫を低下させたり、皮膚が薄くなったり色素沈着を起こすなど、副作用にも悩まされることにもなります。またステロイド連用によりステロイド自体が効かなくなり、より強いステロイドが必要になることにもなります。
7月の汗ばむ季節、我が家にもついに待望の男の子が誕生しました。生後2ヶ月頃から顔や腕などに赤いポツポツが出てきました。あせもだろうか、心配なので小児科へ。特に診断もなくこれで様子を見てくださいと、ステロイド軟膏を渡され、早速一番酷いおでこに塗ってみた。見事に炎症は取れたが、ステロイドを塗った部分だけ白くなっているのを見て、ステロイド使用が恐くなり、私の勧めで神仙太乙軟膏を使ってみることになりました。ステロイドほどではないが、すぐに炎症や赤みが消え、漢方がこんなに効くなんて、と驚いていました。結局アトピーのような症状は数ヶ月後にはまったくなくなり綺麗になりましたが、時々内股や首などにあせものようなものができたり、赤みが出ると何でも太乙膏をつけるようになりました。副作用の心配もなく、たいへん気にっていました。気になることとしては、カレーのようなにおいがすることと、肌着につくと洗ってもおちにくいということです。
ここで紹介した「神仙太乙膏」は元々「太平恵民和剤局方」というおよそ900年前の中国の処方集に収載された処方です。漢方が日本に伝わった際、湯薬を中心に広まったため、軟膏などはあまり普及されなかったようです。それを現代に復活させたお薬なのです。
処方に使われている生薬は特別なものではなく、一般的な飲み薬の漢方薬によく使用させる生薬で構成されています。
皮膚の炎症を取ったり、膿を出す作用があり、浸出液が多くじゅくじゅくした患部にも適応します。また肌を潤す生薬が含まれているので、乾燥してかさついた症状にもお使いいただけます。
神仙太乙膏の構成生薬
トウキ:補血 行血 調経 潤腸
ケイヒ:発汗解表 通陽化気 温通経脈
ダイオウ:攻積導帯 瀉火涼血 祛瘀経通
シャクヤク:清熱涼血、活血祛瘀、緩急止痛
ジオウ:清熱涼血 生津
ゲンジン:滋陰清熱 瀉火解毒
ビャクシ:祛風解表 止痛 消腫排膿 燥湿止帯
【効能・効果】
きり傷、むしさされ、とこずれ、やけど及びその他の肉芽形成
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